天神学園の奇妙な案件
人外の分際で

人並みの幸福を得ようと思うな

もう黒板という黒板、掲示板という掲示板に書かれる、龍一郎とすずの相合傘。

おまいら子供か。

「もう!もう!何なのもう!」

すずが赤い顔をして、必死になって消して回る。

かわええ。

「龍一郎も消してなの!」

「いや…こんなん放っとけば、ほとぼり冷めるだろ…」

というか消して回っても埒が明かないと、諦めムードの龍一郎。

未来を知っている彼としては、どの道すずとは結婚するんだし…というのもあるのだろう。

「ほとぼり冷めるまで、私が恥ずかしいの!」

「そんな嫌がらんでも…」

呟く龍一郎の言葉に、すずはピタリと動きを止めた。

「別に…嫌とは言ってないの…」

「……」

「私は…」

振り向いたすずの顔は、耳まで赤かった。

「これが修正力でなかった事にならなければいいなと、思っているの…」

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