天神学園の奇妙な案件
まるで有効打が与えられない。

それどころか、攻防の度に致命的なダメージを与えられる。

「く…そ…」

悪態さえ息絶え絶え。

龍一郎はボロボロのまま、体を地面に横たえる。

もうまともに動けるのは、蛮だけだ。

「無理だ…どんな魔術も無詠唱、しかも最高レベルで習得している会長に、敵う筈がない…」

「そんな事は端から分かっていた事だろう」

ゆっくりと歩み寄ってくるバルトメロイ。

「蛮。チャンスをやろうじゃないか」

獣性魔術を一時的に解いたのか。

彼は微笑みながら蛮に言う。

「その連中を1人残らず、心臓を一突きにしたまえ。そうすれば魔道協会復帰を許そう」

「……そんな事……できません」

「なら死ね」

検討の余地さえなかった。

答えた蛮に対し、バルトメロイはフィンの一撃を放つ!

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