天神学園の奇妙な案件
「…小癪な」

バルトメロイは舌打ちする。

蛮の姿が、陽炎の如く消えていった。

「で…出来た…」

息を乱すルナ。

父親譲りの幻術を発動させ、蛮をフィンの一撃から救ったのだ。

「ルナ、どうして…」

フィンの一撃の弾道から押し倒されて救われた蛮が、驚いた顔をする。

「決まってんだろ…」

倒れた蛮とルナ。

2人を庇うように、龍一郎が立つ。

その声に。

「『天神学園は命のやり取りを禁ず』」

もう1人の声が重なった。

「なあ、禿鷲…お前、俺達の事嫌いだよなあ…?」

問い掛ける龍一郎。

『無論だ。仲良しこよしの友情ごっこを繰り広げる貴様らは、虫唾が走る』

遠慮なく答える禿鷲。

「じゃあもう一個訊くぜ?」

龍一郎は、キッとバルトメロイを睨んだ。

「あのジジイと俺達と、どっちが嫌いだ?」

『……』

禿鷲が、笑ったような気がした。

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