天神学園の奇妙な案件
フィンの一撃が効かぬならば。

バルトメロイはルーン魔術を行使する。

たちまち発火し、炎に包まれる龍一郎。

しかし炎は立ちどころにして鎮火する。

不自然な炎の消え方だった。

「貴様も魔術師ならば知っていよう」

龍一郎は言う。

「対魔力。魔術への耐性。俺が持つ対魔力は、魔法陣及び瞬間契約を用いた大魔術すら完全に無効化してしまい、事実上現代の魔術で傷付ける事は不可能なレベルだ」

「……」

バルトメロイは気付く。

「貴様、誰だ?先程までの少年ではないな?」

「応」

また王の笑みを浮かべ。

「臥龍・鴉丸 禿鷲。気まぐれで朽木のような老いぼれの相手をする事と相成った」

龍一郎の身を借りた禿鷲は言った。

< 187 / 470 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop