天神学園の奇妙な案件
「待ってお父様…!」

扉をバン!と開き、その凶行を止める者があった。

息を切らして学園長室にやって来たルナだ。

「あれは私が、蛮に酷い事を言ったせいなの…蛮が怒るのは仕方なかったの…私は泣かされて当然だったの…蛮は悪くないの…」

「……」

ヴラドは動きを止め、ルナの顔を見つめた後。

「さあ覚悟はいいか真久部 蛮」

全然聞く耳持っていなかった。

「お父様っ!」

蛮とヴラドの間に割って入り、大きく手を広げるルナ。

「蛮には非はなかったの…蛮が罰せられる謂れはないの…断罪はやめて下さい」

「知らんな。お前を泣かした、それだけで理由が何であろうと罪だ。使い魔の蝙蝠が俺の耳にその話を届けた時から、その小僧の死は決定事項だ」

アンタ使い魔を娘のストーキングに使ってんのか。

「清らかで穢れのない我が娘を傷付けた罪、決して許されはせんぞ。覚悟はいいな真久部 蛮」

二挺拳銃の銃口が、蛮に向けられる。

< 208 / 470 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop