天神学園の奇妙な案件
だが…。

「蒲公英」

ティーダはスラリとユースティティアを抜く。

「ちょっと、離れててくれるか?」

「え?うん」

言われるままに、ティーダと距離を置く蒲公英。

ユースティティアを両手で握り締め、ティーダは一呼吸置く。

…屋上は薄闇に包まれている。

幸い、ティーダと蒲公英以外に誰もいない。

ここでなら、危険はないだろう。

覚えたての無詠唱召喚。

それを駆使して、ティーダは精霊を喚ぶ。

ティーダの頭上に灯る、赤い光。

炎の精霊サラマンダーだ。

時計で言うなら、12時の位置。

そこを起点に、右回りに。

1つずつ、光が灯っていく。

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