天神学園の奇妙な案件
ツェペリ邸。

ルナは自室で寛いでいる。

片手には、輸血用血液のパック。

大好きな読書をしながら、時折ストローに口を付ける。

「……」

その様子を、蛮は見ていた。

彼女が自らタイマントーナメントに出場を希望したのは、驚きだった。

彼女の実力は知っている。

恐らく今現在、龍一郎一味で最強なのは、すずかルナだろう。

龍一郎は勿論、ティーダも半人前の勇者だ。

パンドラの箱の化身の娘であるすずや、真祖ツェペリの娘であるルナには敵うまい。

本人もそれを知っているのだろう。

が。

「なぁルナ。それは幾ら何でも舐めプじゃないか?」

全く稽古の素振りさえ見せないルナに、蛮は苦言を呈する。

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