天神学園の奇妙な案件
時には二人で
橘家。

「兄ちゃんうるさい!」

蒲公英が元気よく龍一郎の部屋のドアを開けた。

「タイマントーナメント近いのは分かってるけど、部屋で稽古しないでって何回言えば分かるのっ?ドタンバタン音が響くのっ!」

と、捲し立てて気づく。

「あり?」

龍一郎はベッドで、布団に潜り込んでいた。

「わ、悪ィ悪ィ蒲公英。気ぃ付けるから勘弁してくれや…」

「…兄ちゃんもう寝るの?」

「あ?あ、ああ、稽古で疲れたかんな。こんな時間だし、もう寝るわ」

「もう寝るわって…」

蒲公英が、龍一郎の部屋の時計を見る。

「まだ夜の8時だよ?」

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