天神学園の奇妙な案件
上手い事龍一郎を無抵抗にさせて、自分は好き勝手に彼にくっつきながら。

「もうすぐタイマントーナメントなの」

ポツリと、すずは言う。

「龍一郎が勝っても負けても、こんな事は出来なくなるかもなの」

「何でだ?」

「……」

すずは龍一郎の胸に、頬を寄せる。

「龍一郎がもしルカに負けたら、ルカは歴史改変し放題なの。歴史そのものが変わって、私と龍一郎が一緒に居るって歴史もなくなるかもしれない…」

「……」

「龍一郎がルカに勝って歴史改変を阻止できたとしても、今の龍一郎は元々この時代の龍一郎じゃないの…自分の時代に帰る事になるかもしれないの…」

「……」

「だから」

すずは顔を上げた。

「私は、全力で龍一郎もルカも倒しに行こうと思うの。私が私の好きなように歴史を決めたいの」

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