天神学園の奇妙な案件
「死ぬとか言うなよな」

「そう?」

ティーダの言葉に、ルナはコテンと小首を傾げた。

「でも私の方が強いよ?私、吸血鬼だから。お父様はヴラド・ツェペリ、真祖よ?」

「ああ、知ってる」

「このままやれば、死ぬと思わない?」

「……思わない!」

強くユースティティアを押し出し、ルナの爪を押し返す。

クルクルと宙を舞い、リングの上に着地するルナ。

綿毛の様にフワリと。

着地音さえさせない。

「そうかなあ…死ぬと思うけどな…」

解せない、といった様子で呟くルナに。

「お前な」

ティーダはスラリとユースティティアを抜き放った。

「さっきから死ぬ死ぬって、物騒だぞ」

「そうだよ」

右手に続き、左手の爪も伸びる。

ルナは両手を掲げ、無表情で言った。

「ティーダの事、脅してるんだもの」

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