天神学園の奇妙な案件
左右順番に、突進しながら振り下ろす爪。

空を斬り裂くように、衝撃波が発生してティーダに襲いかかる!

父ヴラドはマンイーターとソウルイーターという二挺拳銃を愛用するが、ルナの戦い方は吸血鬼本来の身体能力を生かした体術だ。

「シルフ!」

咄嗟に召喚した風の精霊で衝撃波を相殺しつつ、突進してくるルナも見失わないわように、剣を振る!

横薙ぎ!

その剣の腹に。

「私はね」

トンと、ルナは乗る。

どういう手品なのか。

剣にルナの重さを感じない。

「これからこの爪で、ティーダをバラバラに解体して、組み立てる前の模型みたいにするの」

「悪趣味だぞっ」

「うん、悪趣味。悪い悪い、吸血鬼だもの」

ルナは薄く笑う。

「悪くて怖くて強い吸血鬼。天神学園の誰も、私達ツェペリ一族には敵わないの。だから」

彼女は俯き。

「棄権してくれないかな…」

やっと本音を吐露した。

< 354 / 470 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop