天神学園の奇妙な案件
「俺は龍一郎をぶっ倒す!」

ユースティティアを向けたまま、ティーダが言う。

「俺はすず先生をぶっ倒す!俺はルカって奴をぶっ倒す!だから」

ユースティティアをビュンと一振り。

「ここでルナもぶっ倒す!」

「…!」

ルナが驚いたような顔をした。

「ここでルナを傷付けて、その先の試合で兄貴の龍一郎をぶちのめして、後で蒲公英にこっ酷く叱られるのなんて織り込み済みだ。その程度の覚悟がなくて、タイマントーナメントなんて戦えるかよ」

過去のタイマントーナメントも、親友同士、仲間同士の激突の連続だった。

昨日まで笑い合ってた友と、顔を腫らすほどの殴り合いを演じるのだ。

決して憎悪から来るものではないとはいえ、それは覚悟の必要な事。

「お月様のルナには、ちょいとしんどい事かもしれないけどな」

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