天神学園の奇妙な案件
暗い夜空に、優しく蒼く光る満月。

ルナを称して、月と表現する者は多い。

猛々しさや強烈な光とは無縁の、癒しの光を放つ月。

対してティーダは太陽だ。

生命の灯。

命の源。

だが太陽は、時に強く激しく、肌を焼くほどにギラギラと照り付ける事もある。

それが月との違い。

優しさを内包するが、激情的な面も併せ持つ。

まさしくティーダそのもの。

「でも、傷付けるのが嫌なんて、ルナらしいと思うぜ。優しいルナならではの発想だと思う」

ティーダは切っ先を下げる。

「ルナこそ棄権しな。無理して戦う事はねぇよ。競う事が苦手なのは、悪い事じゃない」

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