天神学園の奇妙な案件
転倒し、床を横滑りしていくティーダの体。

然程力を込めていないように見えたにもかかわらず、強烈な蹴りだった。

またもトン、と着地して。

「やろうと思えばこのくらいできる」

ルナは呟いた。

「覚悟は足りないかもしれないけど、私は決して弱くない」

「…確かに…そうかも…」

ゆっくりと立ち上がるティーダ。

その額には、血の筋が出来ていた。

「っ……」

ルナはハッと息を飲む。

言いかけた言葉を、慌てて飲み込んで。

「『ごめん』…か?」

ティーダはルナの飲み込んだ言葉を先読みした。

「やっぱりルナはお月様だなぁ」

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