天神学園の奇妙な案件

天神学園中庭。

多くの野次馬達が見守る中、蛮とルナは対峙していた。

「…しつこいの、蛮…私は龍一郎と付き合ってるって言ったの…」

「お付き合いしてるのは分かったよ。でも、僕が魔道協会から君を討伐するように言われている事実は変わらない」

銀の十字架を手に、蛮は身構える。

「異端の吸血鬼として、僕は君を討伐する！そして！」

駆け出す蛮！

「君を倒して僕も死ぬ！」

「っ！」

十字架を、まるで戦斧のように振り下ろす蛮。

軽い足取りでこれを回避するルナ。

動きの速さで分かる。

両者の力量差は大きい。

蛮の動きは、人間の域を出ていない。

彼の攻撃がルナを捉える事は、まずないだろう。