天神学園の奇妙な案件
酷い顏だ。

血塗れで、足元もおぼつかない。

なのに。

酷い女だと思われるかもしれないが。

「…私の想像通りなの」

すずはワクワクし始めていた。

本当に、龍一郎は丹下 龍太郎の生まれ変わりに違いない。

彼は、夢の中でしか再現できなかった伝説の男との戦いを、実現させてくれる!

「プロレスのリングみたいにロープがないのが残念なの!」

すずは猛ダッシュから、立ち上がったばかりの龍一郎の喉に、自身の片腕を横方向へと突き出して叩きつける!

「名付けて『すずラリアット』なの」

まるで薙ぎ倒されるように、リングに叩き付けられる龍一郎。

悪魔としての腕力を利用した打撃技だった。

< 385 / 470 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop