天神学園の奇妙な案件
「風の名を謳う」

ティーダは、もう一度女王の召喚を試みた。

「我が名は『ティーダ・グリフィノー』。名の契約に従い、血の盟約に応えよ、ロイエ・グィーネ」

再び吹く清浄の風。

風の女王が、ティーダの背後に顕現する。

今のティーダの体に、女王召喚の魔力は大きな消耗。

だが、何を惜しむ事があろうか。

「っっ……」

歯噛みしながら、疲弊した肉体を震わせる龍一郎。

ここに来て、精霊女王召喚か。

ティーダは全力で倒しに来ている。

俺は絶対に負ける訳にはいかないのに…!

しかし心の何処かで、全力を尽くして兎を狩る獅子のような、そんなティーダの戦い方に感謝の念も覚えた。

手心を加えずに龍一郎を倒しに来てくれるティーダを、最高の親友だと思う。

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