天神学園の奇妙な案件
…違和感を感じたのは、ルカが初めて龍一郎の部屋を訪れた頃からだった。

あの辺りから、龍一郎の言動は不可解なものが多かった。

最初はいつもの、ゲームと現実を混同した発言だろうと思っていた。

しかしバルトメロイの襲撃以降、龍一郎の隠れての行動は多くなる。

妹の蒲公英や、仲間のティーダ達にも秘密で、何かの為に行動している事は知っていた。

一度仲間達に、自身はタイムスリップしてきた存在なのだとカミングアウトしていた事を思い出す。

まさか…。

蒲公英は自身でも龍一郎の行動に注意しつつ、ティーダにも相談し、協力を仰いだ。

闇の精霊シェイドを通じて、ティーダに伝わってくるのは信じ難い事実ばかり。

そしてその手に余るような事態を、龍一郎とすずは、これまで2人だけで対処し続けていた。

ティーダ達が、龍一郎の言葉に耳を貸さなかったばかりに、龍一郎達はどれだけ苦しい思いをしてきたのか。

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