天神学園の奇妙な案件
そして決戦の場へ。

大歓声の中、ティーダはルカと対峙する。

こうして見ると、本当に初等部の子供だ。

こんな子供が、本当に禿鷲をも凌駕する魔術の使い手なのか?

時間を遡ったり未来に行ったりできる大魔術の使い手なのか?

精霊女王召喚なんて使ったら、一瞬で決着がつくような気さえする。

「…侮るといいですよ」

ティーダの心の声を聞き取ったが如く、ルカは薄く笑った。

やがて、審判ヴラドの右手が掲げられる。

「タイマントーナメント、決勝戦だ。みっともない真似をすれば串刺しにするぞヒューマン」

審判らしからぬ威圧の言葉と共に。

「勝負、はじめっ!」

試合の火蓋が切って落とされる。

「鋼の名を謳う、我が名は『ティーダ・グリフィノー』。名の契約に従い、血の盟約に応えよ、ロイエ・スティル」

まさに開幕奥義。

やや高速詠唱気味に、ティーダは女王精霊召喚を行使した。

「なっ…」

意表を突かれたルカ。

掲げたティーダのユースティティアの切っ先の上に、女王が静かに舞い降りる。

鋼の精霊女王スティル。

その身はユースティティアの延長上、一振りの刀身となり。

「いっけぇええぇえぇぇえぇえぇえっ!」

ティーダによって、ユースティティアと共に振り下ろされる!

< 423 / 470 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop