天神学園の奇妙な案件
『天神学園において、父…臥龍の存在は大きな分岐点だろうな』

禿鷲が呟く。

『父がいなければ、ルカの先祖である丹下の血筋が天神の歴史に大きくかかわる事も無かったろうし、その後の夕城家や橘家、グリフィノー家などの家系との縁もなかったやもしれん』

そういう意味では、臥龍が丹下の血筋の封印されるという事は、丹下の血筋が天神の歴史の表舞台に出てくる切っ掛けだったのかもしれない。

『が…それは有り得んな』

「何でだよ?」

禿鷲の言葉に、龍一郎が疑問を呈する。

『考えてもみろ。ルカも丹下だ。そこまで天神の歴史の根幹から…しかも自分の先祖も関わる部分を改変すれば、下手をすれば自分の存在まで消失するやもしれん』

「あ…確かに…」

頷く蛮。

自身の存在を懸けてまで、ルカも歴史改変をしようとはしないだろう。

そこまで破滅型思考ではない筈だ。

< 453 / 470 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop