天神学園の奇妙な案件
「寝惚けてんの?もー、夜遅くまでゲームばっかしてるからだよ」

せっせと食卓に皿を並べていく蒲公英。

「今日はすず先生の英語の小テストあるから、私早く学校行きたいんだよね。朝ご飯さっさと済ませてくれる?兄ちゃんも、ティーダっちと朝稽古の約束してんじゃなかったっけ?負けた方がルナっちに血を吸われるんだっけ?そんな事したら、またあのヴァンパイアハンターの蛮って子がヤキモチ妬いて決闘挑んでくるかもね。『ルナに近寄っていいのは僕だけだ!』とかってさ」

クスクス笑う蒲公英だが、龍一郎はとても笑う気になれない。

またか。

またなのか。

必死こいて歴史改変の危機から免れたというのに、また同じ事を繰り返すのか?

そんな龍一郎の気も知らずに。

「ほらぁ、早く顔洗って来てよ」

お玉で龍一郎の頭をポカンと叩く蒲公英。

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