天神学園の奇妙な案件
「何の用かしら?」

ティーダをからかうのをやめ、ルナは冷めた表情で蛮を見た。

求愛も討伐も聞き飽きたと言いたげ。

龍一郎やティーダには慕っているような素振りを見せるが、蛮に靡く事は決してない。

そして。

「お前、しつこいのはよくないぞ」

ルナの前にはティーダが立った。

いつでも背中のユースティティアを抜ける準備。

「……」

蛮の纏う気配が、刺々しいものになる。

「分かっているのか?その子は吸血鬼だぞ」

「ああ分かってる。で、お前はルナを倒す為に来たヴァンパイアハンターって奴だろ?」

「確かに分かってるみたいだね。さあ、そこを退いてくれ」

「分かってるから退かないんだ」

ティーダと蛮は睨み合う。

「…お前は吸血鬼を守るのか?人間なのに。人間から見れば、吸血鬼は捕食者なのに」

「吸血鬼でも仲間なら守るし」

ティーダはスラリとユースティティアを抜いた。

「人間でも仲間を悪く言うなら許さない。ルナを吸血鬼って言うのはやめろ」

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