天神学園の奇妙な案件
「馬鹿ね」

ルナは言い放つ。

「魔道協会会長のバルトメロイ・グレゴリオは、そんな小細工が通用するような男じゃないってお父様から聞いているわ。私の散滅を偽装した所で、それが死んだ吸血鬼の牙かどうかなんて、簡単に看破される。未熟者ヴァンパイアハンターが小賢しい真似をして、欺ける相手だと思ってるの?」

「……」

キツイ一言を浴びせられ、更に気勢を失う蛮。

「ティーダ、帰ろ」

ルナは蛮の横をスタスタと擦り抜けていく。

「未熟者は尻尾を巻いて魔道協会に帰りなさい。『ルナ・ツェペリは僕の手には余る相手でした』と伝えて、バルトメロイに失望されて魔道協会をクビになりなさい。そうすれば…」

立ち止まるルナ。

「普通の人間としてなら、私も接してあげなくもないわ」

「!」

顔を上げる蛮。

「ルナ…」

素直じゃないな。

ティーダは苦笑する。

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