優しい魔女は嘘をつく
──
十月三十日。
文化祭が終わって、もう一週間が経つ。
月曜日の朝、私は堂本くんが来るのを待っていた。
ついさっき目が覚めて、時計を見たら七時十五分くらいだった。
腰くらいの高さまである壁にもたれて、私は今日も眠っていた。
不思議なことに、自分が何時に学校に来ているのかは、いつもすぐに忘れてしまう。だから、自分がどれだけ長い間寝ていたかもわからないのだ。
いつもならまだ寝ている時間だけど、今日はなんとなく目が覚めたから、堂本くんが来るのを待つことにした。
そして、しばらくすると……
──ガラガラガラ。