優しい魔女は嘘をつく

表では気が強いように振舞っている果夏だけど、本当は違う。



きっと、手紙を書いていたのは果夏だったんだ。




堂本くんに手紙を置くように頼むかなにかして、果夏が書いていないと私に思わせたんだろう。




直接干渉するわけじゃなく、堂本くんから私に間接的に関わり、影から見守る。




もしかしたら、私に会うのが怖かったのかもしれない。




私が死んだ原因は自分にある、と罪悪感を抱いていたのかもしれない。








「魔女」







──それは、幽霊よりも孤独で、悲しい存在だった。




きっと一番、この四十九日の中で辛い思いをしていたんだろう。

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