優しい魔女は嘘をつく

「私ね、咲良と果夏に、また昔みたいに一緒にいてほしかった。三人で笑いたかった。でも、いっつも私が真ん中にいて、二人の仲立ち。それがだんだん嫌になってきちゃったんだ……」






あの時思っていたことを、全部伝えた。




どうして私が仲立ち役にならなきゃいけないんだろう、とずっと思っていた。




二人がどうしてそこまで謝ることに抵抗を持っているのか、理由が分からなかった。






"嫌い"





いつからそうやって、二人の気持ちを決めつけていたんだろう。







嫌いじゃない。



──苦手、だったんだ。





果夏は咲良の優柔不断なところが苦手。咲良は、果夏のストレートな物言いが苦手だった。

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