優しい魔女は嘘をつく
ねぇ、果夏。
あなたがくれた時間のなかで、
私になにができるんだろう。
あなたがくれた言葉で、
私は何を変えられるんだろう。
そんな、一番大事なことを、私は一ミリも考えていなかった。
たださまよっているだけの四十九日。
何もできなかった四十九日。
でも、そのなかで、私は色んなことを知った。色んなことに気づいた。
誰かを思いやる嘘。
誰かを幸せにしたいとついた嘘。
それは悲しいものじゃないし、決して誰かを不幸にするような嘘でもない。
死んでしまうという怖さを打ち消して、勇気をくれる愛の形。