優しい魔女は嘘をつく

着いたらすぐ分かるくらい、花やらお菓子やらがお墓の前に置いてあった。




俺の前に誰か来たのだろうか。



まぁ駒森のことだから、かなり友達いると思うし……誰が来たのかはわかんねぇけど。




俺は持っていたビニール袋からプラスチックのパックを取り出す。



中には和菓子の詰め合わせ。おはぎや餡で包んであるものがある。





「悪いな……こんなもんで」





俺は、それを他のお供え物の隣に並べて、その場にしゃがんだ。これには、訳があった。




実は、俺は高校を卒業した後、祖父母の家で働くことを決めたのだ。




祖父母の家は自営業で、和菓子屋を営んでいる。俺が通っていた高校あるこの町からは、少し離れたところにあるけど。




俺はもともとお菓子が好きだったのもあるし……祖父母も大変だと思ったから、手伝いってことで働いている。

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