優しい魔女は嘘をつく
1、冷たい彼とチョコケーキ
朝、決まって私が起こされるのは、八時半のチャイム。
私は寝るのが好きで、いつも朝早くから学校に来て寝ている。
でも、どうしてか、昨日のあの後のことを全く覚えていないのだ。
……というより、”あれ”はもしかしたら、夢だったのかもしれない。
目が覚めたら、目の前に紙があって……そこに、なんか意味不明なことが書いてあった気がする。
えっと確か。”どうしてここに──
「おっはよぅっ!」
私が思い出すよりも先に、勢いよく教室の扉が開いて、それは遮られた。