優しい魔女は嘘をつく
今度はなんだろう。私の服装?態度?何がおかしいんだろう。
ドキドキしながら「なに?」と聞くと、彼は俯いてぼさっと呟いた。
「……買えなかったんだけど」
うん?
一瞬なんのことか分からなかったけど、すぐ理解した。昨日言ってたチョコケーキのことだ。
「ご、ごめん。私が引き留めたから」
「……いや、違くて」
その言葉に、私は頭に?マークを浮かべた。間に合わなかったんじゃないの?
そこで理由がようやく分かった気がした。まさか、と思い、私は尋ねてみる。
「道、迷ったの?」
途端に堂本くんが、顔を赤くした。あぁ、やっぱり、図星なんですね。