【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
今日の空もどんよりとした雲がかかっていた。
そんな雲の多い空を麻耶は見上げた。

「館長、雨降りそうですね」
麻耶が始を見ると、むこうからスタッフが歩いてくるのは見えた。

「館長!社長がお見えです」
「今行きます」
始はいつもの館長の顔にもう戻っていた。

「では、水崎さんドレスサロンとの打ち合わせお任せします」
「はい。失礼します」
ペコリと頭を下げると麻耶は歩き出した。


病み上がり開けという事で、みんなから早く帰るように言われ、麻耶は20時過ぎには職場を後にした。

(今日は真野さんの来る日だし、ご飯はあるしこのまま帰れるな)

麻耶はみんなの好意に感謝して、家へと向かった。
帰宅してシャワーを浴びて、キッチンで真野の作ってくれていた肉じゃがとほうれん草のお浸しと白米を準備すると、ダイニングテーブルに座り、昨日途中で眠ってしまい見られなかったDVDの続きを再生した。

DVDを見ながら食器を片付けて、お茶を入れると麻耶はソファに座りDVDに見入っていた。

< 103 / 280 >

この作品をシェア

pagetop