【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「なあ、すれ違ってたって言ってたよな?別れた彼氏と」
不意に声がして、麻耶は芳也を見た。
「ああ、彼公務員で……。規則正しい生活をしてました。早寝早起き?帰っても寝ていることも多くて最後は食事すら一緒に食べなくなって」
「でも、眠る時間はあったんだろ?」
芳也の質問の意味を深読みしてしまい、麻耶は顔が赤くなるのを感じた。
「寝る時間って……そんなの……」
「やらしいこと考えただろ?」
「え?ちがっ……」
「寝てないの?」
「だからずっと寝室も別でしたし!」
(なんでこんなこと話しちゃってるのよ……)
狼狽する麻耶を見て、芳也はまたギュッと麻耶の腰を抱きしめた。
「こうやってふれあっているだけで俺は満たされるけどな。人の温もりって安心するだろ?」
(この人の距離感って……そういえば初めに会った時も慰めて抱きしめてくれたっけ……。これがこの人の距離感なのかな。好きでもない女でも、人には優しい。大丈夫勘違いなんてしないから)
麻耶は自分に言い聞かせると、ゆっくりと見えている芳也の髪を摘むと、サラサラした髪がパラパラと落ちるのを見ていた。
不意に声がして、麻耶は芳也を見た。
「ああ、彼公務員で……。規則正しい生活をしてました。早寝早起き?帰っても寝ていることも多くて最後は食事すら一緒に食べなくなって」
「でも、眠る時間はあったんだろ?」
芳也の質問の意味を深読みしてしまい、麻耶は顔が赤くなるのを感じた。
「寝る時間って……そんなの……」
「やらしいこと考えただろ?」
「え?ちがっ……」
「寝てないの?」
「だからずっと寝室も別でしたし!」
(なんでこんなこと話しちゃってるのよ……)
狼狽する麻耶を見て、芳也はまたギュッと麻耶の腰を抱きしめた。
「こうやってふれあっているだけで俺は満たされるけどな。人の温もりって安心するだろ?」
(この人の距離感って……そういえば初めに会った時も慰めて抱きしめてくれたっけ……。これがこの人の距離感なのかな。好きでもない女でも、人には優しい。大丈夫勘違いなんてしないから)
麻耶は自分に言い聞かせると、ゆっくりと見えている芳也の髪を摘むと、サラサラした髪がパラパラと落ちるのを見ていた。