【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス

(好きだ……)

気づいてしまった気持ちと、絶対に知られる訳にはいけないという思い。
知られてしまったら、一緒にいることができない。
それだけは麻耶は避けたかった。
今は、こうして二人の時間を過ごせることだけで幸せだった。

芳也が何かに苦しんでいるのなら、少しでも助けたい。
だから、私の気持ちだけは絶対に知られる訳にはいかない。

『俺に惚れるなよ』
その言葉が麻耶の頭を占拠した。

芳也の顔を見たい衝動を抑えて、麻耶はギュッと瞳を閉じた。


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