【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
ただ欲求を満たすだけの行為。そこには愛情なんて存在しない。
大人になればそれぐらいの事は理解しているつもりだ。

(唇にキスはしてくれなかったな……)

唇の上のキスは愛情のキス。何度となく新郎新婦に言った言葉が自分自身に突き刺さった。


これはただの慰めだと。
愛を伝える必要はないと。

そう芳也に言われている気がして、涙が落ちた。

(それでも私は後悔はしない……)

麻耶はキュッとシャワーを止めると、鏡の中の自分を見つめた。
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