【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
7.さよならの意味
麻耶は芳也がいない時を見計らって、荷物をまとめると芳也の部屋を出た。
冷静になれば麻耶は自分が迷惑でしかない事に気づいた。
一方的に迫って、好きだと言って……。アイリの言う通り芳也の為に身を引くことが今の自分にできる最後の事だという事も理解した。
あの時の事を後悔する自分もいた。
あの時、芳也に迫らなければ、もっと一緒の時間を過ごせたのではないのか……そんな事ばかりを思ったが、時間が戻る訳もなく無理に考えることは止めた。
好きな人に抱かれたあの瞬間は幸せだった。
どれだけ思い出しても、芳也の手は優しかった。
キスも、甘い言葉もなかったが、抱きしめられる腕は優しくて甘くて幸せだった。
(だから、後悔はしてない。私がいると芳也さんを苦しめるだけだ)
ようやくその結論が出て、麻耶は家を出ることを決心した。
友梨佳の家のインターホンを押すと、友梨佳が笑顔で出迎えてくれて麻耶はホッとしてぺこりと頭を下げた。
「少しの間お世話になります」
「ようこそ、我が家へ。さあ入って」
冷静になれば麻耶は自分が迷惑でしかない事に気づいた。
一方的に迫って、好きだと言って……。アイリの言う通り芳也の為に身を引くことが今の自分にできる最後の事だという事も理解した。
あの時の事を後悔する自分もいた。
あの時、芳也に迫らなければ、もっと一緒の時間を過ごせたのではないのか……そんな事ばかりを思ったが、時間が戻る訳もなく無理に考えることは止めた。
好きな人に抱かれたあの瞬間は幸せだった。
どれだけ思い出しても、芳也の手は優しかった。
キスも、甘い言葉もなかったが、抱きしめられる腕は優しくて甘くて幸せだった。
(だから、後悔はしてない。私がいると芳也さんを苦しめるだけだ)
ようやくその結論が出て、麻耶は家を出ることを決心した。
友梨佳の家のインターホンを押すと、友梨佳が笑顔で出迎えてくれて麻耶はホッとしてぺこりと頭を下げた。
「少しの間お世話になります」
「ようこそ、我が家へ。さあ入って」