【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
※
水曜日の式場の定休日に、始はじっとオフィス街でも一際そびえたつビルを見上げていた。
キュッとネクタイを締めなおすと、3階分はありそうなエントランスに足を踏み入れた。
奥に見える総合受付に向かうと、にこやかで上品な制服に身を包んだ女性3人が会釈をした。
(さすが大企業だな……)
始は軽く息を吐くと、その女性ににこやかに微笑みかけた。
「いきなりで申し訳ありません。約束はしておりませんが、副社長の宮田健斗さんにお会いしたいのですが」
名刺を渡すと、じっと相手の女性を始は見た。
「お約束がないとなると……」
そう言った彼女だったが、始の真剣さが伝わったのか、「少々お待ちいただけますか?」そう言うと受話器を取った。
始がジッとその彼女の答えを待っていると、
「え?」
と驚いた様子の彼女を見て、始はやっぱりダメか……と諦めかけていると、少し時間が経って「始君!」その声とともに、大人っぽくなった健斗がエレベーターから走ってきた。
「副社長!!」
受付の女性の驚く声にも構うことなく、
「芳也に何かあったのか!」
始の肩を揺さぶるように慌てた様子に、始はやっぱり健斗さんだと内心安堵した。
水曜日の式場の定休日に、始はじっとオフィス街でも一際そびえたつビルを見上げていた。
キュッとネクタイを締めなおすと、3階分はありそうなエントランスに足を踏み入れた。
奥に見える総合受付に向かうと、にこやかで上品な制服に身を包んだ女性3人が会釈をした。
(さすが大企業だな……)
始は軽く息を吐くと、その女性ににこやかに微笑みかけた。
「いきなりで申し訳ありません。約束はしておりませんが、副社長の宮田健斗さんにお会いしたいのですが」
名刺を渡すと、じっと相手の女性を始は見た。
「お約束がないとなると……」
そう言った彼女だったが、始の真剣さが伝わったのか、「少々お待ちいただけますか?」そう言うと受話器を取った。
始がジッとその彼女の答えを待っていると、
「え?」
と驚いた様子の彼女を見て、始はやっぱりダメか……と諦めかけていると、少し時間が経って「始君!」その声とともに、大人っぽくなった健斗がエレベーターから走ってきた。
「副社長!!」
受付の女性の驚く声にも構うことなく、
「芳也に何かあったのか!」
始の肩を揺さぶるように慌てた様子に、始はやっぱり健斗さんだと内心安堵した。