【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「俺は、確かにアイツを恨んだ。でもそれも俺が未熟だったせいだし、芳也だけが悪い訳でもない。でも、今あいつとの距離を置いているのは、あいつが俺や親父の力を借りなくても、お前はやっていける。俺のおまけなんかじゃない。そう思ってほしいからであって、あの事をひきづってなんかいない」
「知っていたんですか?」
始は初めて健斗から聞く、芳也への思いを聞いて驚いて尋ねた。
「あたりまえだろ?弟だよ。いつも俺の陰で、俺へのコンプレックスの塊で。自分なんて必要ないとか言ってたんじゃないのか?」
少し苦笑しながら言った健斗の言葉に、始も曖昧に頷いた。
「小さい頃からアイツは俺の物を欲しがった。それが次第に大人になって奪う事で、自分の価値を見出そうとしていたこともわかっていた。それが俺より自分が優れていると思う事でアイツの心の安定になっていたことも」
「だから小百合を手に入れたって言われたとき、やっぱりなと言う気持ちもあったんだ」
そこまで言って健斗はちらりと、後ろの秘書を気にした。
「大丈夫です」
ふわりとすべてを包み込むように微笑んだその顔を見て、始は「え?」と声を出した。
「彼女は俺の秘書で横山唯奈さん。俺もあれから初めて大切な人を見つけたんだ。そして小百合も今は幸せなんだよ」
「そうなんですか……」
「知っていたんですか?」
始は初めて健斗から聞く、芳也への思いを聞いて驚いて尋ねた。
「あたりまえだろ?弟だよ。いつも俺の陰で、俺へのコンプレックスの塊で。自分なんて必要ないとか言ってたんじゃないのか?」
少し苦笑しながら言った健斗の言葉に、始も曖昧に頷いた。
「小さい頃からアイツは俺の物を欲しがった。それが次第に大人になって奪う事で、自分の価値を見出そうとしていたこともわかっていた。それが俺より自分が優れていると思う事でアイツの心の安定になっていたことも」
「だから小百合を手に入れたって言われたとき、やっぱりなと言う気持ちもあったんだ」
そこまで言って健斗はちらりと、後ろの秘書を気にした。
「大丈夫です」
ふわりとすべてを包み込むように微笑んだその顔を見て、始は「え?」と声を出した。
「彼女は俺の秘書で横山唯奈さん。俺もあれから初めて大切な人を見つけたんだ。そして小百合も今は幸せなんだよ」
「そうなんですか……」