【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
※
「始?どうした。こんなところに呼び出して」
もう暗くなった海は、お台場のビルの光を浴びてキラキラしていた。
電灯のあまりないベンチの人影を見て、芳也は声を掛けた。
「始?」
一歩一歩近づいて、芳也は足を止めた。
「兄貴……」
そっと立ち上がった人を見て、芳也は呆然と立ち尽くした。
「兄貴……なんで……」
まっすぐと芳也を見据える健斗に、耐え切れず芳也が頭を下げた。
「本当に……」
そう言ったところで、グイっとスーツの襟元を握られたことに気づいて、芳也は顔を上げた。
「……っつ!!」
ガンと言う衝撃と、痛みが芳也の頬にはしり、そのまま後ろへと倒された。
殴られたその頬を、芳也は手で押さえて啞然として健斗を見上げた。
「これで終わりだ」
静かに上から掛けられた言葉に芳也は「え?」とだけ声を出した。
そっと健斗から差し出された手を芳也は取っていいものか悩み、一瞬出した手を戻した。
「おい!芳也!」
そう言うと、健斗は強引に腕を取り芳也を立たせた。
「悪かったな」
健斗の言葉に、芳也は訳もわからず言葉を発することができなかった。
「10年前もお前に、こうやってぶつかればよかったな。そうすればこんなにお前を苦しませなかったのかもしれないな」
柔らかく笑ったは健斗は更に続けた。
「これで、お前に対する気持ちはもう終わりだ。俺はもう何も思ってない。まあ、ずっと俺はもうお前の事は許していたんだけどな」
「兄貴……」
「お前の辛い気持ちが俺もまだガキだったからわかってやれなかった。許せなくて、お前を避けるようにアメリカに逃げた事、ずっと後悔してたよ」
「始?どうした。こんなところに呼び出して」
もう暗くなった海は、お台場のビルの光を浴びてキラキラしていた。
電灯のあまりないベンチの人影を見て、芳也は声を掛けた。
「始?」
一歩一歩近づいて、芳也は足を止めた。
「兄貴……」
そっと立ち上がった人を見て、芳也は呆然と立ち尽くした。
「兄貴……なんで……」
まっすぐと芳也を見据える健斗に、耐え切れず芳也が頭を下げた。
「本当に……」
そう言ったところで、グイっとスーツの襟元を握られたことに気づいて、芳也は顔を上げた。
「……っつ!!」
ガンと言う衝撃と、痛みが芳也の頬にはしり、そのまま後ろへと倒された。
殴られたその頬を、芳也は手で押さえて啞然として健斗を見上げた。
「これで終わりだ」
静かに上から掛けられた言葉に芳也は「え?」とだけ声を出した。
そっと健斗から差し出された手を芳也は取っていいものか悩み、一瞬出した手を戻した。
「おい!芳也!」
そう言うと、健斗は強引に腕を取り芳也を立たせた。
「悪かったな」
健斗の言葉に、芳也は訳もわからず言葉を発することができなかった。
「10年前もお前に、こうやってぶつかればよかったな。そうすればこんなにお前を苦しませなかったのかもしれないな」
柔らかく笑ったは健斗は更に続けた。
「これで、お前に対する気持ちはもう終わりだ。俺はもう何も思ってない。まあ、ずっと俺はもうお前の事は許していたんだけどな」
「兄貴……」
「お前の辛い気持ちが俺もまだガキだったからわかってやれなかった。許せなくて、お前を避けるようにアメリカに逃げた事、ずっと後悔してたよ」