【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「芳也は、あの宮田の家の重圧と、お兄さんへのコンプレックスの塊みたいだった。芳也の両親は無意識に兄の健斗さんを可愛がったし、親族も健斗さんがいれば大丈夫そんな事ばかりを言って、芳也の事は眼中にないみたいだった。それでも中学生までは勉強はもちろん学年で常にトップ。そして運動もできた。まあルックスもよかったからすごくモテた。そこはいいか」
少し笑うと始は麻耶を見た。
「そこはいいです」
話を続けて下さいという目で、麻耶は始を見ると始は肩をすくめた。
「学年トップになっても当たり前。もっと兄の健斗さんの方がすごいんだ。お前は全然兄には追い付いていない。歳も違うし、学年トップもとっているのに、これ以上どうしろっていうんだ……そんな意識が芳也の中でどんどん広がって……高校に入ったころから芳也は家で会話をしなくなった。兄さえいなければ……そんな風に荒れていった。ガラの悪い友達とも付き合いだしたし、宮田の恥だって常に言われるようになった。
そして高校3年のころ、俺には芳也の本当の気持ちはわからないけど、結論、わざと健斗さんの大切に付き合っていた人に芳也は近づいた。そして彼女は芳也を選んだ。でもほんの1か月もしないうちに芳也からその彼女と別れた。そして芳也は、健斗さんに『大切な物を奪われる気持ち、人に愛されない気持ちがわかっただろ?』そう言ったって聞いている。彼女も自分に近づいた理由が健斗を見返すためだった事を知り、大切にしてくれていた健斗さんを裏切った事、そして好きになった芳也に裏切られたこと。その事が彼女を苦しめて、結果睡眠薬を大量に飲んで自殺を図るという事にまでなってしまった」
そこまで聞いて、麻耶も息を飲んだ。
少し笑うと始は麻耶を見た。
「そこはいいです」
話を続けて下さいという目で、麻耶は始を見ると始は肩をすくめた。
「学年トップになっても当たり前。もっと兄の健斗さんの方がすごいんだ。お前は全然兄には追い付いていない。歳も違うし、学年トップもとっているのに、これ以上どうしろっていうんだ……そんな意識が芳也の中でどんどん広がって……高校に入ったころから芳也は家で会話をしなくなった。兄さえいなければ……そんな風に荒れていった。ガラの悪い友達とも付き合いだしたし、宮田の恥だって常に言われるようになった。
そして高校3年のころ、俺には芳也の本当の気持ちはわからないけど、結論、わざと健斗さんの大切に付き合っていた人に芳也は近づいた。そして彼女は芳也を選んだ。でもほんの1か月もしないうちに芳也からその彼女と別れた。そして芳也は、健斗さんに『大切な物を奪われる気持ち、人に愛されない気持ちがわかっただろ?』そう言ったって聞いている。彼女も自分に近づいた理由が健斗を見返すためだった事を知り、大切にしてくれていた健斗さんを裏切った事、そして好きになった芳也に裏切られたこと。その事が彼女を苦しめて、結果睡眠薬を大量に飲んで自殺を図るという事にまでなってしまった」
そこまで聞いて、麻耶も息を飲んだ。