【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「私何でここで寝てるんですか?そして、あれ?」
中途半端に下着姿の自分に、ふと記憶が断片的によみがえってきた。

「思い出してくれた?」
ニヤリと芳也は笑うと、麻耶を組み敷き上からじっと麻耶を見下ろした。

「えーと、途中で寝落ちしたんですね……私」
あはは……と乾いた笑いをして、芳也を見ると社長スマイルが目の前にあり、麻耶は息を止めた。
「うん、そうだね。俺はやっと麻耶が手に入って、やる気だったんだけどね……。俺はそんなに眠くなるような事をしたのかな?」

そう言うと、芳也は麻耶の首筋をペロリと舐め上げた。
「んっ!」
甘い声が漏れ、麻耶はとっさに口を手でおさえた。

「昨日もその声は聞いたんだけどな……」
そう言うと、芳也は麻耶の鎖骨の辺りを吸い上げた。
ピリッとした痛みとともに、麻耶は潤んだ瞳で芳也を見上げた。
「だって……ずっとうまく眠れなくて、芳也さんの腕の中で安心したらつい……」

その表情を見て、今度は芳也が照れたように麻耶から目を逸らした。

「悪い。麻耶。俺が悪かった。もうこれ以上煽らないで。止まらなくなる……」
そう言って芳也は麻耶を抱きしめると、大きく息を吐いた。

「え?」
「可愛すぎるんだよ。お前のその顔。今まで必死に見せないようにしてただろ?俺も見ないようにしてたし。
でも、全開で見つめられると破壊力半端ない。このままここから出したくなくなる。けど……時間」
そう言った芳也の言葉に麻耶は慌てて時計を見た。

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