【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「麻耶……ごめん。明日仕事だけど。でも……もう我慢できない」
耳元で囁くように、言われ麻耶はゾクリとした感覚が全身に広がった。

「えーと。ハイ。体力には自身があるので……明日の仕事頑張り……ん…っ」
直に触れた芳也の手の熱さと、言葉ごと奪われたキスに麻耶は、言葉を続けることができずただ、激しくなるキスに応えるのが精いっぱいだった。

「麻耶、こないだ抱いた時に言えなかった言葉、ようやく言えるな。麻耶可愛い。その声も、体も全部。それに……やっぱりキスしながらの方がいいな」
ニヤリと笑って、急に恥ずかしい言葉を言われ麻耶は手で顔を覆った。

「芳也さん……何……その言葉攻め」
「こないだは、何か話せば絶対に気持ちが溢れるって思ったから何も言えなかった。でももうその必要もない。だから麻耶も何も隠すな。全部見せて」
優しく笑って言った芳也は、麻耶の手を顔から退かすと麻耶の頭上で縫いとめた。

どんどん激しくなるキスに、溢れ出そうな幸福感の中、麻耶は芳也を見つめた。
潤んだ瞳で芳也を見上げる麻耶の顔を見て、
「本当はそんな可愛い顔するんだ」
ニヤリと笑った芳也に、
「だって、芳也さんの言葉……嬉しいけど、恥ずかしい。こないだは何も言われなかったし、気持ちも違ったから……」

「じゃあ、思う存分甘やかそうかな」
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