【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
1時間程走ると、キラキラと光る海が目の前に広がり麻耶は声を上げた。

「きれい……!海。久しぶり!」
「久しぶり?」
「はい。ずっと海まで遠い所に住んでたし、東京に来てからは仕事ばかりだったし。大学の卒業旅行で沖縄に行った以来かもしれないです」

「麻耶の実家って山?」
その言葉に、麻耶はクスクス笑うと、
「山って……東京に比べたら田舎ですけど、山ばかりでもないですよ」

「そんなに来てなかったなら泳ぎたかった?」
「あっ。大丈夫です。見るだけで嬉しいです」

「夏って感じだな」
海沿いの道を走りながらカラフルな海水浴場に並ぶパラソルを眺めた。

「昼飯は俺に任せてくれる?」
芳也の言葉に麻耶はニコリと笑うと頷いた。


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