【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「誓いのキスを」
その言葉で、麻耶のベールをゆっくりと芳也は上げると、悪戯っぽく笑った。
「もちろん、ここだな」
そう言って、チュッとリップ音を立てて唇にキスをすると、麻耶を見つめた。
歓声にもにた声が上がり、拍手に包まれた。

「指輪の交換を」
神父の声にいつもなら、おもちゃの指輪を交換するはずだが、芳也にはめられた指輪に麻耶は目を見開いた。

美しい大きなダイヤの周りを、いくつものダイヤが囲んだリング。
それをゆっくりと麻耶の指に収めると、満面の笑みで芳也は微笑んだ。

「ありがとう」
呟くように言った麻耶に、芳也は「あー、今すぐ抱きしめたい!」そう呟くと、麻耶を赤面させた。

フラワーシャワーではみんな知らされていたのだろう、始も姿を見せみんなからの祝福の声が飛んだ。

「麻耶ちゃん!よかったわね!大成功ですね!社長!」
美樹にそう声を掛けられ、初めて美樹がこの計画の首謀者という事を知り、麻耶はまた涙が浮かんだ。
「美樹さん!ありがとうございます」
「麻耶ちゃん、まだ仕事仕事!頑張って!」
その言葉に麻耶も満面の笑みを浮かべた。

「麻耶、本物の式の時は、もっと濃厚なキスをするからな」
降りしきるフラワーシャワーの中、芳也は麻耶に囁いた。



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