【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
(何よ……いいじゃない。家で一人で飲んだって。それを取り上げるなんて。少しはあんたのせいでもあるんだから!)
また怒りが湧いてきたが、居候という立場で文句も言えず、用意をするとバスルームに逃げ込んだ。

(うわー!!)

そこには普段見ることのない、丸いバスタブにジャグジー、壁にはテレビ。そして極めつけは大きな窓から夜景が見えた。
浴槽にはお湯が張られていたが、さすがにゆっくりと入るのは図々しいか……と思っていると、
「おい。俺は入ってないから好きな入浴剤いれてゆっくり入って来い」
その言葉に、呆然としているとドアの向こうの気配が消えた。

(一応気をつかってくれたのかな……さっきの事も悪いって……)

洗面所にはいくつか入浴剤が並べられていた。
(社長がこれを使ってるの?)
おしゃれな包装の可愛らしい入浴剤。ローズ、ラベンダー、レモングラス。
有名なブランド物で使うのがもったいないぐらいだった。

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