【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「社長……なんか昇給の面接みたいですよ。でもそうですね……。初めは本当に夢いっぱいでしたよ。人気のある業種だし合格貰った時は嬉しかったです」
言葉を選ぶように言った麻耶の言葉を、芳也も黙って聞いていた。
「確かに一年目の時は理想と現実の狭間で苦しい事もありましたよ。ただおふたりと夢を叶えたい!とか正義感に燃えていたし。でも、あたりまえですけど、仕事だし、商売だし、利益を上げないと意味のない事も理解したし、夫婦になるはずなのに、ケンカしたり浮気したりでダメになる人達もたくさん見ました……でも、やっぱり今もこの仕事が好きですよ。本当に愛する人との大切な儀式のお手伝いって最高に素敵です」
ニコリと笑った麻耶に、芳也はホッとした表情を見せた。
「社長?」
「また社長になってるぞ」
(今までも社長だっだのに……)
「あ……芳也さん?芳也さんはどうしてこの業界を?」
何気なく聞いた麻耶だったが、芳也が黙り込んだのを見て慌てて、「言いたくないならいいです!」とブンブンと首を振った。
「いや……」
いつのまにか食事も終わり、芳也は席を立つといつものように、ウイスキーをグラスにいれると持ってきた。
カランと氷の音が響いた。
「贖罪……かな」
ぼそりと言った芳也の言葉を麻耶は聞き返したが、もう一度聞くことはできなかった。
(贖罪?誰に何を謝らなければいけないの?)
麻耶はなんとなく言われたその言葉が、胸に引っかかった。
言葉を選ぶように言った麻耶の言葉を、芳也も黙って聞いていた。
「確かに一年目の時は理想と現実の狭間で苦しい事もありましたよ。ただおふたりと夢を叶えたい!とか正義感に燃えていたし。でも、あたりまえですけど、仕事だし、商売だし、利益を上げないと意味のない事も理解したし、夫婦になるはずなのに、ケンカしたり浮気したりでダメになる人達もたくさん見ました……でも、やっぱり今もこの仕事が好きですよ。本当に愛する人との大切な儀式のお手伝いって最高に素敵です」
ニコリと笑った麻耶に、芳也はホッとした表情を見せた。
「社長?」
「また社長になってるぞ」
(今までも社長だっだのに……)
「あ……芳也さん?芳也さんはどうしてこの業界を?」
何気なく聞いた麻耶だったが、芳也が黙り込んだのを見て慌てて、「言いたくないならいいです!」とブンブンと首を振った。
「いや……」
いつのまにか食事も終わり、芳也は席を立つといつものように、ウイスキーをグラスにいれると持ってきた。
カランと氷の音が響いた。
「贖罪……かな」
ぼそりと言った芳也の言葉を麻耶は聞き返したが、もう一度聞くことはできなかった。
(贖罪?誰に何を謝らなければいけないの?)
麻耶はなんとなく言われたその言葉が、胸に引っかかった。