【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「片付けちゃいますね」
それ以上芳也が何も言わない事がわかり、麻耶は立ち上がると皿を運び出した。
「俺もやるよ」
「大丈夫です!社長はお疲れです!」
「お前だってだろ?」
「まあ」
その返事を聞くか聞かないかで芳也は自分の皿を持って立ち上がると、キッチンのシンクに立った。

「でも……食洗器にいれるだけですし、これぐらいやらないと置いてもらっているんだし、名目を下さい」
しょんぼりとして言った麻耶に、「ありがとう」そういうと、芳也はウィスキーを持ってリビングへと戻って行った。

(本当に調子の狂う人だな……)

麻耶はため息をつくと、食器に手を掛けた。
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