【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「いいですよ……見なくて。どうせ色気もなければ、キレイでもないですよ」
そう言うと、麻耶は自分の部屋へと急いだ。


麻耶はいそいそと支度をして、まだリビングでコーヒーを飲んでいる芳也をチラリと見た。
「社長……じゃあ、先いきますね」
「ああ、俺ももうすぐ出るよ」
真っ青な空をバックににこやかに微笑んだ芳也を、麻耶はぼうっと見ていた。
(本当に何でこんなに様になるの?この人……)

「俺に見惚れた?」
ニヤリと笑った芳也に、ハッとして、
「そうですね!無駄にかっこいいですよ!いってきます!」
「ああ、がんばれよ」
クスクスと笑いながら言った芳也の声を聞きながら、麻耶はまだ早いマンションのエレベーターへと乗り込んだ。
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