【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「本当にもう……すぐにからかうんだから」
呟くようにいって降りて行く階数の数字を見ていると、12階で止まったため慌てて麻耶は表情を戻して俯いた。
「水崎さん?」
その声に麻耶はドキッとしてゆっくりと顔を上げた。
「え……館長?」
そこにいたのは紛れもなく始だった。
「ああ……」
なぜかそう呟いて納得したように始は麻耶を見た。
「水崎さんも今から出勤ですか?」
「は……い……」
麻耶は今の「ああ」に何が含まれているのかわからず黙り込んだ。
地下1階のボタンを始は押すと、ジッと麻耶を見た。
(なに?この視線……そうだよね。私ごときがこんなところに住めるわけないし……怖いよ。何を考えているんだろ……)
ゴクリと唾液を飲み込むと、早く1階へ着くことだけを祈って麻耶は黙っていた。
ポンという機械音と共にドアが開くと、「失礼します」とぺこりと頭を下げて、逃げるように外に出た。
「ふーん」
後ろから聞こえたその声に麻耶はゾッと背筋が凍った。
呟くようにいって降りて行く階数の数字を見ていると、12階で止まったため慌てて麻耶は表情を戻して俯いた。
「水崎さん?」
その声に麻耶はドキッとしてゆっくりと顔を上げた。
「え……館長?」
そこにいたのは紛れもなく始だった。
「ああ……」
なぜかそう呟いて納得したように始は麻耶を見た。
「水崎さんも今から出勤ですか?」
「は……い……」
麻耶は今の「ああ」に何が含まれているのかわからず黙り込んだ。
地下1階のボタンを始は押すと、ジッと麻耶を見た。
(なに?この視線……そうだよね。私ごときがこんなところに住めるわけないし……怖いよ。何を考えているんだろ……)
ゴクリと唾液を飲み込むと、早く1階へ着くことだけを祈って麻耶は黙っていた。
ポンという機械音と共にドアが開くと、「失礼します」とぺこりと頭を下げて、逃げるように外に出た。
「ふーん」
後ろから聞こえたその声に麻耶はゾッと背筋が凍った。