【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
少し差し込む光に麻耶はゆっくりと目を開けた。
随分と体は軽くはなっていたが、それでも少しの頭痛と倦怠感がありゆっくりと起き上がった。
時計を見ると、9時を回っていた。

(え?もうこんな時間!!やばい!)

そう思ったが、昨日の始の言葉を思い出して大きく息を吐いた。

(普通ならアウトでしょ……連絡もせずに欠勤なんて……)

枕元に置かれたペットボトルと洗面器などを見て、改めて芳也に迷惑を掛けた罪悪感があったが、体調の悪い時に一人じゃなかった安堵感を思い出し芳也に感謝をした。

(社長はもう仕事に行ったのかな?朝食できなかったな……)

カーテンを開けると、少しどんよりとした雲が広がり雨が降りそうな空模様だ。
着替えようとして、目の前に芳也のシャツが目に入り、麻耶は芳也に着替えさせられたことを思い出し頬が熱くなるのを感じた。

(昨日の社長……すごく優しかったな……)

熱であまり意識をしていなかったが、肩を抱かれたり、額に手をあてられたりと、心配してくれた芳也を思い出し麻耶はベッドに倒れ込んだ。
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