【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「すみません……てっきりいないと思ってました」
俯きながら言った麻耶に、
「今日は日曜だし、特にフェアも入ってないから久しぶりの休みだよ」

(え?休み……どうしよう……)

麻耶のそんな不安をよそに、
「おい、さっき落とした下着は置いておいたからな」
きちんと脱衣所にたたまれて置かれた自分の着替えを見て、麻耶はまた頬が熱くなった。
「はい、すみません……」
とりあえず謝罪し、立ち上がると芳也をそっと見た。
「そんな事より……」
そう言って芳也は麻耶の額に手を当てた。
「お前……完全に下がってる?これ……」
そう言われて麻耶も黙り込んだ。
「昨日みたいに体調は悪くないです。シャワーだけ気持ち悪いのでどうしても浴びたくて」
小さな声で言った麻耶に、
「まあ、シャワーぐらいは大丈夫か。無理せず入って来いよ」
そう言って、麻耶の頭を撫でると芳也はバスルームから出て行った。
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